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音楽理論講座(12)~最重要音程トライトーンの話~

コードにはトニック(T)、ドミナント(D)、サブドミナント(SD)の3種類があり、それぞれ安定のT、不安定のD、中間のSDという響きに分かれるわけですが、これらは何がちがうのでしょう。

 

ダイアトニックコードはダイアトニックスケールという7つの音から作られます。そしてこの7つの音の中で、最も不協和な音程というものがあります。

 

それが完全4度と長7度という組み合わせです。CダイアトニックでいうとF音とB音の2つですね。FにとってBは増4度上であり、転回すると減5度下という音程ですが、これはちょうど全音3つ分離れた音どうしです。そのためこれをトライトーン(=三全音と呼んでいます。

 

ダイアトニック上でこの増4度=減5度のトライトーンが成立するのは、完全4度と長7度という2つの音の組み合せだけてす。Cダイアトニックで一例を挙げると、ルート音である完全1度Cにとって増4度はF#ですが、これはノンダイアトニック音ですね。

 

このトライトーンはダイアトニック上に成立するあらゆる音程の中で、最も反発しあう音同士です。さらにいうとトライトーンは転回してもこの全音3つ分という音程、距離感は変わりません。ということは状況やコードのヴォイシング如何に関わらず、トライトーンが含まれている限り常に不協和、不安定なサウンドになるということです。

 

例えば短2度音程(♭9th)という音程があります。ある音に対して半音隣接した音程ですね。CダイアトニックではEとF、BとCがこれに当たります。これもトライトーンに負けず劣らず不協和な、非常に濁ったサウンドです。

でもこれは転回すると長7度音程(M7th)という、ジャズでも良く使われる奥深い響きを持った音程にも成りえます。不協和音程といっても配置を変えるだけでガラッと印象は変わるところが音楽の面白い所ですね^^。

 

この点トライトーンは不協和音として、決して崩れない強固な響きを有しているのが特徴です。つまりこのトライトーンがコード構成音の中にあるか否かによってトニックやドミナントサブドミナントという和声上の機能が生まれるのです。

 

まずトニックは曲の基本となる安定した響きですので、コードの中にトライトーンがありません。ダイアトニックではⅠMとその代理和音であるⅢm、Ⅵmがそれに当たります。

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そしてトライトーンが含まれたコードがドミナントです。ダイアトニックではⅤ7とその代理和音であるⅦΦ7ですね。

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トライトーン(4度と7度)はそのどちらか単体の音だけを含んでも、コードに若干の不安定さが生まれます(※)。それがサブドミナントの性質というわけですね。サブドミナントには4度の音だけが入っているのが特徴です。

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(※)ではトライトーンのもう片方である7度だけが入ったコードはどうなんだと思われるかもしれません。それはこの2つですね。

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この2つのトニックコードはどちらも7度のBだけが入っています。確かにこれってトライトーンを形成する片方の7度Bが入っている以上、厳密にはトニックとは言い難いんです。ただこの7度の音だけが入ったコードに限っては、サブドミナントではなくトニックコードとして楽曲の中で使われる例があまりに多いため、「若干不安定なトニックコード」として現在では定着しています。

 

 

 

 

 

 

 当ブログの内容や理論面で分からない事、疑問点などがあれば、是非ご質問下さい。

 また音楽理論を本格的に勉強したい方のために理論書を作りましたので、興味のある方は御一考を。

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