名演から学ぶ、ジャズアドリブ研究

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"You'd Be So Nice To Como Home To" コードとスケール分析

この曲もセッションで演奏される機会の多いスタンダードですね。大橋巨泉が訳した「帰ってくれたら嬉しいわ」という邦題で有名です。

ただしこれは誤訳で「あなたが待っている家に帰る事ができたらうれしい」が正確だそうです。家で恋人の帰りを待っている女性の歌ではなく、恋人の住む家に帰りたい男性の気持ちを歌ったものという内容で、本来は立場が逆の意味なわけです。

 

この曲はヴォーカルだけでなく、インストでも好んで取り上げられますね。ⅡⅤ進行が中心のとてもジャジーな曲調ですので、ⅡⅤフレーズの練習曲としても最適です。

 

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ABAC形式の1コーラス32小節。Gマイナーキーです。まずAにあたる1~8小節は

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1~4小節はGマイナーキーのⅡⅤⅠ進行です。D7ではオルタード系のドミナントスケールが相応しいでしょう。

 

5~8小節はE♭メジャーに転調。E♭M7はGmダイアトニックコード上の♭Ⅵに存在するコードですね。こういう同じダイアトニック上に存在するコード同士を関係調といい、関係調への転調はスムーズに繋がりやすいといえます。

 

逆にノンダイアトニックコードは遠隔調といい、遠隔調への転調はかなりガラッと場面が変わりますが、その分繋げにくい転調でもありますね。

 

5小節目Fmに進んだ時に短3度のA♭音を鳴らす事によって上手く転調感を演出できます。ここでA音を強調してしまうとかなりかっこ悪いことになりますのでお気をつけて・・・。

 

Bにあたる9~16小節は

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下段の13~16小節は、最初のGmに帰るためのドミナントモーションの連続です。

トニックマイナーのGmへ向かうドミナントのD7、そのD7に向かうダブルドミナントのA7をそれぞれⅡⅤ分割した進行になっています。

どちらのⅡⅤもロクリアンとオルタード系テンションを使います。

 

最後のC25~32小節は

 

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これは関係調の一つである並行調への転調です。GmキーにとってB♭Mキーは、構成音が全く同じというパラレル(並行)な関係になるので、この2つのキーはいわば表裏一体の異名同音階になります。

 

なのでGmスケールもしくはB♭Mスケール一発でも弾けますが、F7やD7でいかにテンションノートを用いて曲想を広げていくかというところが腕の見せどころですね。

 

転調についていくこと、ドミナントコードで状況にあったテンションを使い分けることができるかを意識して練習してみましょう。

 

アドリブのフレーズ例はこちらを参考にしてみて下さい

 http://loopin.hatenablog.com/entry/2016/06/14/164803

 

 

 

 

 

 

 

 当ブログの内容や理論面で分からない事、疑問点などがあれば、是非ご質問下さい。

 また音楽理論を本格的に勉強したい方のために理論書を作りましたので、興味のある方は御一考を。

loopin.hatenablog.com